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「ニッポンの闇」

明晰な頭脳と該博な知識で時代を分析する「脳科学者」と、テレビ界、芸能界を40年生きのび、いまや日米のメディアの裏も表も知る「謎のガイジン」。現代日本を覆う「コンプライアンス」や「忖度」が生み出した「タブー」をテーマに二人がジャニーズ問題から統一教会問題までをも語り尽くすと――見えてくるこの国の問題点、目指すべき未来とは。「ニッポン」の周縁と中心を自在に往還する二人ならではの「異能対談」。

* ニッポンの闇 (新潮新書・中野 信子 (著), デーブ・スペクター (著))
【「はじめに」より】――デーブ・スペクター
『ニッポンの闇』ってすごいタイトルですよね。
 中野さんが『脳の闇』という本を出してベストセラーになったというのもありますけど、この対談のテーマは日本の「コンプライアンス」、「忖度」、「タブー」です。そういったもののおかげで最近、「みんなうすうすわかっているはずなのに、誰も触れないもの」が増えている気がしませんか? 政治の世界もメディアや芸能の世界も宗教の世界も、あるいは大企業だって町内会だって同じじゃないかと思います。いろんなことに「フタ」をして、見て見ぬフリをしてきたことで、かつて元気だった「ニッポン」は、その勢いを失ってしまったように僕の目には映ります。
【「おわりに」より】――中野信子
 デーブさんと「対談」という形でお話をしてみてわかったことがありました。
 こういう場面でもデーブさんはデーブさんなのだなあということです。いつもダジャレを忘れない、ご自分のことを語りたがらない、議論をまぜっ返すし、凡庸な結論に飛びつかない。
 対談をまとめた人はたいへんだったと思います。デーブさんは本当に頭の回転の速い人です。芸能界やテレビ界に限らず膨大な知識量と知識欲があって、しかも口が回る。  同時に、改めて感じたこともありました。 デーブさんはつくづく、日本や日本人がお好きなのだなあということです。ウェットであったり不合理であったりもする日本の情緒や日本人の心性をよくよく理解された上で発言をされているんだなということがよくわかりました。デーブさんならではの日本や日本人に対する深い洞察がなければ本書は成立しなかったと思っています。デーブさんは本当に特殊工作員ではないんだろうか? とも思わされましたが。

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