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日経社説:「永続性ある観光地づくりを」

* インバウンド・ルネッサンス 日本再生 (池上 重輔 (著, 編集), 早稲田大学インバウンド・ビジネス戦略研究会 (著))
新型コロナウイルスはツーリズム産業に大きな打撃を与えた。観光公害が起こるほどに活況を帯びていたインバウンド・ビジネスはポスト・コロナ時代へ向けた飛躍への指針が求められ、国際的な移動が制限されている現時点でのその準備が必要とされている。その新たな指針・パラダイム・ビジネスモデルは、これまでとは全く異なるニューノーマル下のものとなる。逆転の思想で考えると、アフターコロナは、通常時では難しい「パラダイムシフト」が実現できる可能性が大きく、これを好機と捉え、実際に動くことができる人・組織・ビジネスに勝機がある。人の移動が制限されることにより、幸か不幸か、これまでの訪日客の増大だけを頼りにしたやり方から、いかにリピーターを増やすか、富裕層をつかむかなどという、まさに「戦略」が求められる局面を迎えているのだ。
本書は、こうした問題意識のもとで、アフターコロナのニューノーマル下にある世界のツーリズム・ビジネスを見渡し、「観光立国日本」を実現していくための新たなキー概念として、サステナブルに発展する「インバウンド・アウトバウンド・ループ(IOL)」という独自のフレームワークを提示。(1)非観光事業者・日本の文化等を観光資源化、(2)観光資源化する際に経験・体験価値化しその付加価値を高める、(3)その価値を展開するために地域内・地域間連携を促進する、(4)付加価値を高価格に転嫁することでインバウンドから得られる収益を持続的に最大化し、それを、(5)効率的に越境eコマースなどを活用した海外販売につなげ、それがさらに、(6)再度インバウンドに向かうというループとして提唱。
国内外の事例を紹介・分析しながら、収益をインバウンド・アウトバウンドとスパイラル(循環拡大)させることで、一過性のビジネスにとどまらない、重要な基幹産業(貿易産業)として持続的に発展させる日本経済飛躍の方向性を提示する。

<日経社説:「永続性ある観光地づくりを」>・8月12日
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK1223U0S2A810C2000000/

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