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お花畑の農業論にモノ申す・農業にもっとマーケティングを!

* 農業のマーケティング教科書 食と農のおいしいつなぎかた(岩崎 邦彦 (著))
○著者の岩崎氏は中小企業のマーケティング・経営戦略論で有名だが、東京農大で農業経済学の博士号をとった農業経営の専門家でもある。
本書は静岡県立大学岩崎研究室による全国規模の消費者調査、生産者調査のデータベースと、著者自身が携わってきた農の地域ブランド開発や六次産業化の事例を盛り込んだ、農業マーケティングのテキストである。
○消費者は何を求めて「食」を購入するのか、そもそも「品質」とは何か、「おいしさ」を消費者にどう伝えるか。いかにして「強い食のブランド」をつくるかなど、生産者や食ビジネス関係者に関心の高い論点を盛り込んでいる。

<お花畑の農業論にモノ申す・農業にもっとマーケティングを! 「地産地消」への誤解>
 食の「地産地消」は、ずいぶんと浸透し理解され、そして定着してきた。ここには、歴史と風土と文化の香りがする。他方、ごく最近は、ときに「国産国消」という用語も使われる。それは、「国民が必要として消費する食料は、できるだけその国で生産する」という考え方だと説明される。
 「地産地消」と「国産国消」、地域レベルと国レベルの違いで根本の哲学は同じといえるのだろうか。ひょっとすると、食文化の面では、まったく異なるものなのかもしれない。
消費があってこその生産
 いまからもう20年も前になろうか。農林水産省による地域ブロックの農政担当者らを集めた「地方農政局長会議」が開かれた時のことだ。
 ある局長が「地産地消というが、まずは消費が先ではないか。消費者がどんなものを求めるか、それに対応して生産・供給する、地消地産であるべきだ」と発言した。その通りである。・・・2022年2月19日・渡辺好明 (新潟食料農業大学学長)
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/25799

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