MENU

映画「赤い闇 スターリンの冷たい大地」(2019年、ポーランド・ウクライナ・イギリス合作)

* 赤い闇 スターリンの冷たい大地で(DVD・ジェームズ・ノートン (出演), ヴァネッサ・カービー (出演), アグニェシュカ・ホランド (監督))
1933年、ヒトラーに取材した経験を持つ若き英国人記者ガレス・ジョーンズには、大いなる疑問があった。世界恐慌の嵐が吹き荒れるなか、なぜスターリンが統治するソビエト連邦だけが繁栄しているのか。その謎を解くために単身モスクワを訪れたジョーンズは、外国人記者を監視する当局の目をかいくぐり、すべての答えが隠されているウクライナ行きの汽車に乗り込む。やがて凍てつくウクライナの地を踏んだジョーンズが目の当た…

<ウクライナ情勢を語るために、日本人が絶対に見なければいけない5つの映画がある
徹夜で見た猪瀬直樹が一気にレビュー(前編)>

「日本人は歴史と現在が一体であることがわかっていない」と猪瀬直樹は語り始めた。ウクライナの問題は、いま単独で起きている現象ではない。20世紀以降のヨーロッパの激動と歴史が、現在に至るまで続いている一つの過程だ。ただの情勢論ではウクライナを語れない。その鍵になるのが、歴史の検証をクリエイターが続け、物語に仕立てあげた多くの映画だと猪瀬は言う。
人肉を喰らって生き延びるウクライナの民衆
2022年2月24日、ロシア軍がウクライナに軍事侵攻した。それから1カ月間、報道はウクライナ一色だ。ニュースショーのコメンテーターは、近視眼的なコメントを平気で口にして視聴者を混乱させている。こういう混乱期こそ、敢えて腰を据えてじっくり映画を鑑賞したい。100年前の戦争の歴史は過去形ではない。現下のウクライナ戦争は、100年前に起きた戦争の歴史の連なりなのだ。
まずはウクライナをめぐる衝撃的な映画「赤い闇 スターリンの冷たい大地」(2019年、ポーランド・ウクライナ・イギリス合作)を紹介したい。2019年のベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品された秀作だ。 ・・・2022.03.26・猪瀬 直樹・作家
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/93742

  • URLをコピーしました!
目次