* 物質からの回折と結像―透過電子顕微鏡法の基礎(今野 豊彦 (著))
透過電子顕微鏡は現在の材料科学の発展に欠くことのできない一つの手段となっていますが,正しい使用法を習得するためには幾何光学や波動光学の知識が欠かせません。この本では光学の基礎を復習した後,最初に電子顕微鏡やX線回折法の光学系を説明しています。続いて電子からの散乱に始まり,単原子や分子,そしてアモルファスからの散乱現象を調べ,その延長上に結晶からの回折と結像を学ぶというアプローチをとっています。さらに動力学的効果や位相コントラスト法の基礎についても触れており,透過電子顕微鏡を自由に使いこなしたいと思っている方にとって,本書は大きな助けとなるでしょう。
<クローズアップ科学:ノーベル賞級の電子顕微鏡 原子1個の磁場確認>
東京大や日本電子などの研究チームが、独自開発した電子顕微鏡で原子1個の磁場を直接観察することに世界で初めて成功した。9日付の英科学誌「ネイチャー」に論文が掲載された。原理的に電子顕微鏡では磁性を持つ対象を観察できないという長年の課題を解決し、顕微鏡研究の歴史に新たな1ページを加える成果だ。電気自動車(EV)のモーターや半導体デバイスなどに使われる磁性材料の高性能化に貢献すると期待される。・・・2022/2/13・https://www.sankei.com/article/20220213-QOWRHTIJPJPCJPEOUGU7JVBNY4/