* アジアの環境問題:政治・経済・社会からの視点 (九州大学 東アジア環境研究叢書Ⅱ・堀井 伸浩 (著, 編集)ほか)
過去20年余りにわたる期間、東アジア、東南アジアを含むアジア圏はまさに世界経済の成長エンジンとして目覚ましい経済成長を遂げてきた。しかしその表裏一体の現象として、環境問題が深刻化する状況が見られる。環境問題に関わるアクターである政府、企業、NGO・NPOについて、それぞれが環境問題の解決に果たすことが出来る役割とそうした方向に導くためのインセンティブの重要性について明らかにすること、これが本書の全体テーマである。
<欧米流の脱炭素論にモノ申す 都合よくSDGsを持ち出すな>
石炭火力で気候変動対策のゲームチェンジを 海外輸出停止の見直しに向けて
昨年11月、英国グラスゴーで開催された国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)。ここで白日の下にさらされたことは、2015年のパリ協定で合意した世界全体目標および具体的な削減に向けた国別貢献目標(NDC)の引き上げを画策する先進国と経済開発を優先したい途上国との間の埋めがたい〝分断〟であった。その象徴が石炭火力の「段階的廃止」へと進む流れに対してインドが終盤で異を唱え、「段階的削減」に押し戻した一幕であった。
気候変動対策を考え直す契機に・・・1月20日・堀井伸浩(九州大学経済学研究院准教授)・https://wedge.ismedia.jp/articles/-/25473