* 脳の闇 (新潮新書・中野 信子 (著))
人間の厄介さを知っていますか
ブレない人、正しい人と言われたい、他人に認められたい……集団の中で、人は常に承認欲求と無縁ではいられない。ともすれば無意識の情動に流され、あいまいで不安な状態を嫌う脳の仕組みは、深淵にして実にやっかいなのだ――自身の人生と脳科学の知見を通して、現代社会の病理と私たち人間の脳に備わる深い闇を鮮やかに解き明かす。五年にわたる思索のエッセンスを一冊に凝縮した、衝撃の人間論!
(目次)はじめに
第一章 承認欲求と不安
第二章 脳は、自由を嫌う
第三章 正義中毒
第四章 健康という病
第五章 ポジティブとネガティブのあいだ
第六章 やっかいな「私」
第七章 女であるということ
第八章 言語と時間について
<『脳の闇』の中野信子が指摘、日本人に「社会不安障害」が多い理由・ぶつかるのは面倒だから回避する、人と接するのが苦手な日本人の「気難しさ」>
今の社会は何事も簡素に、便利に、合理的になっているが、それと反比例するように、人々はこれまで以上にデリケートかつ気難しくなっている印象を受ける。デジタルデバイスやインターネット空間が発達し、本音と建前、正義と悪が錯綜する現代という檻の中で、人々の思考と感情が窮屈さに悲鳴を上げている。
2023.3.22・長野 光・https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/74465