* 生まれが9割の世界をどう生きるか 遺伝と環境による不平等な現実を生き抜く処方箋 (SB新書・安藤寿康 (著))
遺伝がもたらす不平等な社会をいかに幸せに生きるか
子どもに親は選べない、どんな環境に生まれるかは運任せ。最近話題になっている「親ガチャ」という言葉があらわすのは、遺伝と環境要因がすべてを決めるので、努力することに意味はないと言った若者の諦念である。
確かに遺伝が、あらゆる要素に影響するのは事実である。しかし、遺伝についての最新の知見は常に更新されている。専門家ではない人間が過去の研究結果を軸に、あたかもそれが唯一の真理のように語るのは非常に危険である。
本書では、行動遺伝学の専門家が、一般読者の遺伝についての素朴な疑問に答えるとともに、遺伝における不平等を前提にしたうえで、「いかに自分らしく生きていくか」、「幸福に生きるのか」。そのための方法を論じていく。
<胎児の時点で「将来の学歴」はある程度決まっている…最新研究でわかった”生まれと育ち”の残酷な事実・遺伝子解析をすれば「潜在能力」がわかってしまう>
「生まれと育ち」はどちらが重要なのか。慶應義塾大学文学部の安藤寿康教授は「2016年以降、遺伝と学歴に関する研究が急速に進んでいる。最新の研究では、遺伝的なスコアが高いほど最終学歴が高くなることが分かっている。将来的には、胎児の段階で学歴がある程度まで予測できるようになる可能性もある」という――。
2022/09/28・PRESIDENT Online・安藤 寿康・慶應義塾大学文学部教授
https://president.jp/articles/-/61834?page=1