<朝日社説:「日銀の利上げ 影響見極め きめ細かに」>
この社説の要旨は次の通りです(ChatGPT )
1 利上げは妥当だが慎重に運営を:物価・賃金の緩やかな上昇を定着させるため、2%物価目標に向けて利上げの影響を見極めつつ、きめ細かな政策運営が必要。
2 過度な金融緩和の弊害を抑制:円安を通じた物価高の加速を避ける観点からも、緩和度合いを徐々に抑える対応は不可欠。
3 国民生活への影響を注視し機敏に対応:住宅ローン金利上昇など、利上げが家計や経済に与える影響を十分に監視し、想定外の動きには迅速に対処すべき。
4 将来の金利水準とリスクへの説明責任:目標達成時の適正金利について丁寧な説明を行うとともに、米国経済やAI投資ブームの先行きなど外部リスクへの警戒を怠らないこと。
全体を通して読むと、やや歯切れの悪さを感じる社説です。
利上げを評価しつつも、「では今後どうするのか」「どこまで金利を引き上げるのか」という核心部分が曖昧なままです。
朝日新聞編集委員・原真人氏は別の論考で、「日銀のわずかな利上げでは円安是正や国民生活の改善には効果が乏しい」と、より踏み込んだ利上げの必要性を主張しています。そうした問題意識と比べると、今回の社説は一歩引いた印象を受けます。
他紙を見ると、
日経は「利上げ継続の道筋を明確に示し、市場や国民と十分に対話すべきだ」と指摘し、
毎日・読売も「金融正常化は避けて通れない段階に入った」と論じていまする。
共通するのは、「慎重さ」と同時に「方向性の明示」を日銀に求めている点です。
私自身は、来年以降も速やかに段階的な利上げを進め、当面は政策金利2%程度を目標とすることが妥当だと考えています。
もちろん急激な引き上げは避けるべきだが、あまりに緩慢であれば円安と物価高を固定化させかねないおそれがあります。
円安の是正は日銀だけで実現できるものではないが、円安が物価高騰の一因であることも否定できません。金融政策、財政政策、成長戦略を組み合わせ、1ドル=120円台から110円程度への是正を目指す努力は必要ではないかと考えます。
朝日新聞には、利上げを「評価するか否か」にとどまらず、今後も利上げを続けるべきか、続けるならどの水準までを想定するのかについて、より分かりやすく踏み込んだ社説を期待したいと考えます。
<朝日社説:「日銀の利上げ 影響見極め きめ細かに」>・12月20日
https://www.asahi.com/articles/DA3S16367502.html?iref=pc_rensai_long_16_article
<日本人を相対的に貧しくした円安 日銀のわずかな利上げでは効果なし>・編集委員・原真人2025年12月20日 ・https://www.asahi.com/articles/ASTDM4Q9TTDMULFA030M.html?iref=comtop_7_03
<日経社説:「日銀は利上げ継続の道筋で十分な対話を」>・12月19日
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK194GH0Z11C25A2000000/
<毎日社説:「日銀が追加利上げ 金融正常化へ続く正念場」>・2025/12/20・https://mainichi.jp/articles/20251220/ddm/005/070/126000c
<読売社説:「日銀利上げ 「金利ある世界」新たな段階へ」>・2025/12/20・ https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20251219-GYT1T00503/
<産経主張:「日銀が利上げ 路線継続は丁寧に進めよ」>・2025/12/21
https://www.sankei.com/article/20251221-X33DODQEQNJ5LIXBYYTF2PSLPM/
<日銀が0.75%に利上げでも円安加速:円安スパイラルはこれからが本番か>・2025.12.20・アゴラ編集部・https://agora-web.jp/archives/251219212410.html
<世界史上最大の「国債バブル」は終わった(アーカイブ記事)>
2025.08.14・池田 信夫・https://agora-web.jp/archives/250522042100.html