<SNSにはびこるデマが被災地の救済を遅らせる>
大手メディアが報じない被災地のリアルを独自の取材で発信し続けるジャーナリストが、AI時代のデマの脅威とそれにあらがう術を探る!
「家族が倒壊した自宅の下敷きになり生き埋めになっているので助けてください」――。2024年元旦に起きた能登半島地震で拡散されたSNSの悪質なデマの投稿。
不安をあおる誤情報やフェイクニュースへの懸念が高まる中、被災地の「本当のSOS」を埋もれさせないために、メディア、SNS、そしてわたしたちには何ができるのか……?
* 災害とデマ (インターナショナル新書・堀 潤 (著))
災害報道の現場で、日々、デマと向き合っています。SNSに書き込まれた偽情報だけではなく、AIによって作られた嘘の画像や映像が当たり前のように流布される時代になりました。
私は、デマそのものが人々を動かすことよりも、ある程度のリテラシーを身につけた人たちが「簡単に信じてはいけない」と情報から距離を置くことで、本当のSOSも遠ざけてしまうことに危機感を抱いています。
(中略)
フェイクニュース対策の重要性が広く認知されるようになり、情報を検証するファクトチェック機関が国内外で誕生する一方、報道機関の取材体制は「拡大・充実」よりも「縮小・合理化」に向かっています。
(中略)
今こそ、ひとつひとつの現象に楔を打ち込みながら、前進のための検証と共有が必要だと強く感じています。本書では、私がNHK退局後のおよそ10年間の取材で訪れた、国内外の自然災害や紛争による被災地で市民の皆さんと共に発信をしてきた経験を、次の防災につなげるために書き残して参ります。
<【書評】SNSにはびこるデマが被災地の救済を遅らせる:堀潤著『災害とデマ』>
災害の被災地は一刻も早い救援が必要なのに、SNSにはうその「SOS」や不安をあおる偽情報、AIによって作られた偽の画像がはびこっている。元NHKアナウンサーで報道番組のリポーターを務め、退局後も災害地に入り取材を続ける著者が、「本当のSOS」を埋もれさせないために筆をとったのが本書である。
https://www.nippon.com/ja/japan-topics/bg900565/