<日経社説:「将来の年金底上げへ改革の手を抜くな」>
この社説の要旨は次の通りです。(ChatGPT )
1 基礎年金の保険料納付期間の延長の見送りは問題:基礎年金の保険料納付期間を5年延長する案が見送られたが、65歳まで働く雇用環境と整合的であり、将来の年金給付水準向上に有効な手段であると指摘。
2 経済前提の甘さを理由に改革の停滞を懸念:財政検証で出生率や経済前提が楽観的であるにもかかわらず、年金改正の手を緩めるのは危機感が足りないと批判。
3 厚生年金適用拡大の範囲をさらに広げるべき:パートタイム労働者への厚生年金適用拡大案では、労働時間要件(週20時間以上)が変わらない点を批判。週10時間以上などの柔軟な基準を導入し、適用範囲を広げるべきと主張。
4 厚生年金の積立金を基礎年金底上げに活用する提案:基礎年金の底上げのために厚生年金の積立金活用を検討すべきと提言。将来の年金水準を改善し、近い将来引退する世代にも恩恵をもたらす手段と位置付け。
私も、将来の年金給付水準を底上げするための改革は必要だと考えます。しかし、日経新聞の社説には根本的な改革が欠けており、当面の小手先の対応に終始している印象を受けます。
特に、「基礎年金の底上げのために厚生年金の積立金を活用する」という提案には強く反対します。この施策は、一見すると基礎年金を増額する効果があるように見えますが、実際には厚生年金の受取額を減少させる可能性があります。結果として、勤労者世帯にさらなる負担を強いることになりかねません。
基礎年金の底上げを実現するためには、次のような抜本的な改革が必要です。
国民年金保険料の引き上げ
国民年金の全額を国庫負担とし、その財源を賄うための「年金目的消費税」の導入
また、現状ではサラリーマンの社会保険料(事業主負担を含む)が過剰であり、これが手取り収入を圧迫しています。基礎控除の引き上げよりも、社会保険料負担の軽減こそが優先課題といえるでしょう。
日経新聞の社説「将来の年金底上げへ改革の手を抜くな」は一見もっともらしい主張に見えますが、その内容をより精査し、抜本的な解決策を提示する必要があります。
<日経社説:「将来の年金底上げへ改革の手を抜くな」>・12月9日
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD056KH0V01C24A2000000/
<読売社説:「年金制度改革 負担増に理解得る努力が必要」>・2024/11/27
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20241127-OYT1T50001/
<基礎年金の3割底上げ案、厚生年金の受給額は2040年度まで減少…試算を社会保障審議会に提示>・2024/12/11 ・https://www.yomiuri.co.jp/politics/20241211-OYT1T50000/
<どう変わる?年金制度>
働く高齢者の年金や基礎年金の底上げなど、年金制度の見直しの議論が大詰めを迎えています。年金制度はどう変わろうとしているのか、社会保障と経済の視点から考えます。・初回放送日:2024年12月9日・https://www.nhk.jp/p/ts/4V23PRP3YR/episode/te/ZP82YZXMXY/