* 没落官僚-国家公務員志願者がゼロになる日 (中公新書ラクレ・中野 雅至 (著))
「ブラック霞が関」「忖度」「官邸官僚」「経産省内閣」といった新語が象徴するように、片や政治を動かすスーパーエリート、片や「下請け」仕事にあくせくする「ロボット官僚」という二極化が進む。地道にマジメに働く「ふつうの官僚」が没落しているのだ。90年代以降、行政システムはさまざまに改革され、政治主導が推進されてきたが、成功だったと言えるのか? 著者は元労働省キャリアで、公務員制度改革に関わってきた行政学者。実体験をおりまぜながら、「政官関係」「天下り」「東大生の公務員離れ」等の論点から“嵐”の改革30年間を総括する。
第一章 霞が関を焦土に変えた行政改革
第二章 危機対応できない警察国家
第三章 天下りが先細る先にある「政商」問題
第四章 内閣人事局と官邸官僚が霞が関を破壊した
第五章 政治家の下請けになったとぼやくエリート官僚
第六章 若手や女性の前途を阻む、哀しき「拘牢省」
終章 問われない、政治家の能力
<「金持ち老後」と「厳しい老後」の分岐点となるのは一体…令和の現役官僚を待ち受ける「天下り格差」の悲哀・「能力本位の再就職」は自由だが…>
官僚の「天下り」は今どうなっているのか。元労働省キャリア官僚で神戸学院大学教授の中野雅至さんは「2007年に国家公務員法が改正され、各省が再就職を斡旋することが禁止された。真面目な官僚にとっては厳しい老後が待ち受けている一方、ごく一部の官僚はかつてとは比較にならないくらい金銭面に恵まれた再就職=天下りを享受している」という――。 2024/08/06・PRESIDENT Online・中野 雅至・神戸学院大学現代社会学部 教授
https://president.jp/articles/-/84137