<朝日社説:「ウクライナ侵攻4年 大国の非道 許さぬ結束を」>
この社説の要旨は次の通りです(ChatGPT )
1 ロシアによるウクライナ侵攻は4年に及び、エネルギー施設攻撃などで市民生活が深刻な被害を受けており、戦争を一刻も早く終わらせる必要がある。
2 トランプ米政権の姿勢はロシアに有利に働きかねず、領土割譲を含む拙速な和平は「力による現状変更」を容認することになり、許されない。
3 ロシアも甚大な人的・経済的損失を被っており、核軍縮体制(新START失効)も含め国際秩序への悪影響が拡大している。
3 「法の支配」を守るため、欧州や日本を含む国際社会が結束し、グローバルサウスも含めた連携を再構築してウクライナを支え続けるべきだ。
社説の現状認識は概ね妥当だと考えます。しかし残念ながら、ウクライナを支える具体策についての踏み込みは十分とは言えません。とりわけ日本が何をなすべきかについて、より明確な提案があれば、読者にとって一層有益な内容になったのではないでしょうか。
たとえば、他紙の社説、特に読売新聞は、安全保障環境の現実を踏まえた抑止力強化の必要性に言及しています。また毎日新聞は、停戦の枠組みをどう構築するかという外交努力の重要性に重点を置いています。各紙の論調は異なりますが、日本としての具体的関与をどう強めるのかという論点は避けて通れません。
私は、日本の対ウクライナ支援について、防衛装備移転三原則の運用をさらに柔軟化し、国際法と憲法の枠内で装備品支援の可能性を広げる議論が必要だと考えます。もっとも、この点には国内で慎重論も根強く、単純な賛否で割り切れる問題ではありません。だからこそ、メディアには多角的な論点整理と具体策の提示が求められます。
また、国際ジャーナリスト木村正人氏がJBpressで指摘しているように、ロシア国内では戦争の長期化に伴う人的損失や経済的停滞が深刻化し、宇宙産業などかつて強みとされた分野でも衰退傾向が見られると報じられています。戦況が膠着する中で、双方が「出口のない罠」に陥る危険性も指摘されています。こうした分析を踏まえれば、単に結束を訴えるだけでなく、戦争終結への現実的な外交シナリオや、停戦後の安全保障枠組み構築まで視野に入れた議論が不可欠です。
さらに、日本外交の役割としては、対ロ制裁の継続、復興支援の制度設計、地雷除去やインフラ復旧支援の拡充、さらには将来的な和平交渉に向けた信頼醸成措置の仲介など、多層的な取り組みが考えられます。米国の政権動向に左右されすぎるのではなく、日本自身の戦略的立場を明確にすることが重要です。
社説が「法の支配」を掲げるのであれば、それを具体化する政策選択肢まで提示してこそ、読者にとって説得力ある提言になるはずです。理念の共有にとどまらず、日本として何を実行するのか――その点にさらに踏み込んだ論説を期待します。
<朝日社説:「ウクライナ侵攻4年 大国の非道 許さぬ結束を」>・2月23日
https://www.asahi.com/articles/DA3S16409798.html?iref=pc_rensai_long_16_article
<毎日社説:「ウクライナ侵攻4年 露の横暴許さない停戦を」>・2026/2/23・https://mainichi.jp/articles/20260223/ddm/005/070/007000c
<読売社説:「ウクライナ侵略 大国取引で悪しき前例残すな」>・2026/02/23・ https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20260222-GYT1T00368/
<ウクライナ戦争5年目の現実、ロシア軍死傷者は120万人超へ、データが暴く「大国の衰退」とプーチンの罠>
目次
1 西側をウクライナ撤退に傾けるロシアの情報戦争
2 サンクトペテルブルクで与党支持率は13〜15ポイント落ち込む
3 戦況は好調との宣伝にかかわらず、大国としては衰退傾向
4 かつて世界をリードしたロシアの宇宙産業は歴史的な低水準
5 「双方が出口のない“罠”にはまるプロセス」
2026.2.23・木村 正人・国際ジャーナリスト・https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/93407