<朝日社説:「第2次高市内閣 熟議に逆行は許されぬ」>
この社説の要旨は次の通りです(ChatGPT )
1 「数の力」による審議短縮への警戒:巨大与党の議席を背景に、予算案審議を短縮し押し切ることは許されない。国会は政府の追認機関ではなく、「熟議」と十分な説明責任が不可欠。
2 予算案の徹底審議の必要性:過去最大規模(122.3兆円)の予算案と巨額の政府債務を踏まえ、歳出の妥当性を丁寧に検証すべき。年度内成立を急ぐあまり審議を省略すべきではない。
3 首相の説明責任と政治姿勢への批判:「国論を二分する政策」の具体像を示さず、政治資金問題や旧統一教会との関係も十分説明していない。選挙勝利は説明責任の免罪符にはならない。
4 選挙制度と民意の重みへの自覚要求:小選挙区制の特性により議席は圧勝でも、得票率は過半に届いていない。国会軽視は国民軽視につながるとの自覚のもと、丁寧な政権運営を求めている。
この社説は、巨大与党の議席を背景にした迅速な審議運営に警鐘を鳴らし、「熟議」と丁寧な説明責任を求めています。
しかし、民主主義の基本は多数決原理にあります。選挙によって示された民意を背景に、政策を実行することは議会制民主主義の正当なプロセスです。「数の力」で物事を決めること自体を問題視する論調には、大きな違和感を覚えます。
もちろん、十分な説明や審議は必要です。ただし、不毛な議論を繰り返し、結論を先送りすることが熟議ではありません。予算は国家運営の根幹であり、年度内成立を目指すのは当然の責務です。迅速さと説明責任の両立こそが重要ではないでしょうか。
また、「国論を二分する政策」についても、国会審議の場で首相が具体的に説明し、質疑に応じることが本来の姿です。選挙で信任を得た政権が政策を提示し、それに対して国会で議論が行われる――これが議会政治の基本です。
旧統一教会問題や政治資金問題についても、法令に基づく説明と整理がなされるべきですが、それが国政全体の最重要課題であるかのように扱い続けることが適切かどうかは、冷静な検討が必要です。
さらに、小選挙区制度の特性を持ち出して議席数と得票率の差を強調する議論もあります。しかし、この制度は各党が合意の上で導入されたものであり、そのルールのもとで行われた選挙結果は尊重されるべきです。制度論をその都度持ち出すことは、生産的とは言えません。
他紙の社説を見ると、例えば、産経新聞は「民意を背景に政策の実行を」と主張し、読売新聞も政策の具体化と実行を求めています。一方、日本経済新聞は政策合意形成の重要性を強調し、毎日新聞は「衆議の重視」を求めています。論調の違いはありますが、共通しているのは、政権が結果責任を負う立場にあるという点です。
政権は実行責任を負い、野党は建設的な対案を示す責任を負います。是々非々で政策を論じる姿勢こそが、国会に求められています。
私は消費税減税には反対の立場ですが、憲法改正については、停滞を続けるのではなく、具体的条文案を示し、国会発議に向けて議論を加速させるべきだと考えます。選挙で一定の信任を得た以上、政策課題を前進させる努力は当然です。
「熟議」とは何でしょうか。単に時間をかけることではなく、論点を明確にし、結論を導くための責任ある議論であるはずです。建設的な対案と具体的論戦が伴わないのであれば、それは熟議とは言えません。
報道機関には権力監視の役割があります。しかし同時に、将来に向けた政策論争を活性化させる視点も求められます。批判のための批判ではなく、より良い政策形成につながる提言型の社説を、私は期待しています。
<朝日社説:「第2次高市内閣 熟議に逆行は許されぬ」>・2月19日
https://www.asahi.com/articles/DA3S16407398.html?iref=pc_rensai_long_16_article
<高市首相、憲法改正へ意欲示す 「1強国会」で問われる審議への姿勢>・2月19日 ・https://www.asahi.com/articles/ASV2L4SXXV2LUTFK02TM.html?iref=comtop_7_01
<毎日社説:「第2次高市内閣が発足 「衆議の重視」忘れぬよう」>・2026/2/19・https://mainichi.jp/articles/20260219/ddm/005/070/070000c
<産経主張:「第2次高市内閣 民意背景に政策の実行を」>・2026/2/19・ https://www.sankei.com/article/20260219-6K5KNVITZVJKZJPMVTCQW43SOQ/
<読売社説:「第2次高市内閣 政策を具体化して実行の時だ」>・2026/02/19 ・https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20260218-GYT1T00518/
<日経社説:「首相は政策合意に努め難題にあたれ」>・2月18日
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK181BC0Y6A210C2000000/
<「数の力」で政策を進めることは民主主義の大原則ではないのか、なぜケチをつけるのか>
目次
1 「反対しにくい空気」ができると困るのは
2 形式的な批判はもう聞き飽きた
3 議論が尽くされ、合意が形成されたことがあるのか
4 希望のある社説は書けないのか
2026.2.18・(勢古 浩爾:評論家、エッセイスト)・https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/93321