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朝日社説:「大学病院 持続可能な将来描いて」

<朝日社説:「大学病院 持続可能な将来描いて」>
この社説の要旨は次の通りです(ChatGPT )
1 経営危機の深刻化:大学病院は収支が悪化し、昨年度は7割が赤字。特に医薬品、診療材料の高騰や人件費の増加が経営を圧迫している。
2 高度医療と教育機能の矛盾:高度な医療(臓器移植、ロボット手術など)は収益性が低く、赤字が増加する一方、大学病院は教育・研究機能を維持しなければならず、採算を重視することが難しい。
3 研究・教育の低下と医師偏在:収益確保のために診療に偏りが出て、研究時間が減少している。加えて、医師の都市集中と地域医療への対応が課題となっている。
4 地域医療と連携強化の必要性:大学病院は地域医療の中心としての役割を担っているが、若手医師の地域派遣が減少しており、自治体との連携強化と制度的な整備が求められる。
 
この社説は、現状分析や課題の指摘という点では的確だと考えます。しかし最大の問題は、大学病院が構造的に赤字にならざるを得ない仕組みにあります。その解消に向けた具体策が、社説では十分に示されていません。
国費を投入するのか、あるいは診療報酬でどのような加算や優遇措置を講じるのか、より踏み込んだ政策提案が必要です。高度医療、救急、教育、研究といった「公共性の高い機能」が、現在の診療報酬体系では十分に評価されていない点は、各紙の社説にも共通する問題意識です。
私は、大学病院や公立病院については、医薬分業一辺倒ではなく、薬の院内処方を一定程度復活させることも検討すべきだと考えます。これにより薬剤師をより有効に活用でき、病院経営の改善にも一定の効果が期待できます。
さらに、大学病院や公立病院は、開業医やクリニックと同列に扱うのではなく、高度医療・人材育成・地域医療を担う公共インフラとして明確に位置づけた制度設計が必要です。
社説が指摘するように、「同じ大学病院でも都市と地方では事情が異なる」のは事実です。だからこそ議論にとどまらず、それぞれの機能や役割に応じた具体的かつ迅速な支援策の実行が、今まさに求められているのではないでしょうか。

<朝日社説:「大学病院 持続可能な将来描いて」>・11月17日
https://www.asahi.com/articles/DA3S16345230.html?iref=pc_rensai_long_16_article
 
<読売社説・「大学病院 経営の安定で機能維持したい」>・2025/12/04 ・https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20251203-GYT1T00428/
 
<産経主張:「病院の赤字 的絞った支援で患者守れ」>・2025/12/4
https://www.sankei.com/article/20251204-JJXJXEUCKRN65A6AQREH5V7JSI/
 
<東大病院、医師は1700人超 院長「日本の医学・医療をけん引」>
https://www.asahi.com/articles/ASTCM2VCWTCMUTIL01ZM.html
 
<赤字の国立大病院が増加 物価高や医師の働き方改革、苦悩する現場>・松浦新2025年9月15日 ・https://www.asahi.com/articles/AST9B7VK3T9BULFA01QM.html?iref=com_rnavi_rensai_1

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