<朝日社説:「国家公務員離れ やりがい持てる職場へ」>
この社説の要旨は次の通りです。(ChatGPT)
1 給与の引き上げだけでは人材流出は防げず、長時間労働など組織風土の改革が不可欠
賃上げは理解できるが、過酷な労働環境が改善されなければ人材確保は難しい。
2 若者が魅力を感じるような、やりがいと成長機会のある職場づくりが必要
働き方改革や勤務間インターバル制度の導入など、抜本的なワーク・ライフ・バランスの改善が求められる。
3 能力や実績を正当に評価する人事制度の構築が急務
年功序列を見直し、若手にも活躍の機会を与える制度改革が必要。
4 「政と官」の関係を正し、透明で公正な行政運営を実現することが信頼回復につながる
忖度や不正の温床をなくし、国民の納得が得られる公務員制度にするべき。
この社説は「国家公務員離れ」という大きなテーマを掲げていますが、国家公務員には多様な職種があり、現業部門から霞ヶ関のキャリア官僚に至るまで、その業務内容は非常に幅広いものです。したがって、それらを一括りに論じるのは無理があり、主張がやや散漫になっています。もっと論点を絞り込まなければ、読者にとって意味の薄い主張になりかねません。
いずれにせよ、給与の改善は最優先事項です。現在の人事院勧告に基づく給与改定の仕組みは、今の公務員制度や職務内容に合致しているとは言い難く、根本的な見直しが必要です。民間との職務内容の違いや、官民格差の実態をより精緻に分析し、それに基づく制度設計が求められます。
さらに、人手不足の深刻さは現場において明らかです。たとえば、税務の職場(税務署)においては、この数十年でほとんど定員増が認められておらず、経済規模の拡大や社会の複雑化に全く追いついていません。その結果、税務調査の頻度は大幅に減少し、税の公平な執行は著しく損なわれています。
また、キャリア官僚の働き方や「政と官」の関係も、構造的に見直す必要があります。政策決定における政治主導の名のもとに、官僚が萎縮し、健全な行政運営が損なわれるようでは、長期的な信頼の確保は難しいでしょう。
社説の締めくくりにおいて、
「厳しい財政事情のなかで勧告通りに給与を大幅に引き上げるなら、国民の納得を得られる形で進めるべきだ。歳出に無駄はないのか、徹底的な見直しも求められる。」
とありますが、これは現場の実態を見誤った的外れな主張です。今回の給与改定は、決して「大幅」と言えるものではなく、むしろ抑制的な水準にとどまっています。現場の国家公務員、キャリア官僚、さらには自衛官等等の給与水準は、職務の厳しさに見合ったものとは言えず、さらなる引き上げが必要だと考えます。
<朝日社説:「国家公務員離れ やりがい持てる職場へ」>・9月21日
https://www.asahi.com/articles/DA3S16306715.html?iref=pc_rensai_long_16_article
<読売社説:「国家公務員離れ 待遇の改善だけでは不十分だ」>・2025/09/12
https://blog-tubuyaki.777usami.com/wp-admin/edit.php?post_type=post
<日経社説:「公務員の処遇にも実力本位を」>・8月23日
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK226S10S5A820C2000000/