<朝日社説:「外国人受け入れ 軸は理解と共生の視点」>
この社説の要旨は次の通りです(ChatGPT)
1 外国人政策は「管理」ではなく「理解と共生」を軸にすべき
受け入れの議論において、外国人を管理の対象として見る視点ではなく、人権を尊重し、互いの文化や習慣を理解し共生する社会統合の視点が必要。
2 不安感や排外的な空気に流されず、冷静で客観的な議論を
治安や不安感を理由に受け入れ制限を検討するのではなく、客観的な根拠に基づき、排外主義や人権軽視につながらない議論を進めるべき。
3 国が主導して、地域間格差のない受け入れ体制と支援を整備するべき
日本語教育や社会習慣の学習支援など、自治体任せではなく国が責任を持って取り組むべきだと指摘。
4 外国人を経済の手段としてではなく、地域社会の一員として迎えるべき
都合のよい労働力としてではなく、共に社会を築く仲間として迎える姿勢が、持続可能で魅力的な社会につながると主張。
この社説、理念ばかりが先行しており、具体策が乏しいと感じます。
たしかに「共生」や「人権尊重」といった視点は重要です。しかし、日本に住む以上、外国人も日本人も、一定の管理が必要不可欠です。現時点で、日本において外国人の人権を軽視するような制度的管理が存在しているとは考えにくく、この点で社説はやや過剰な警戒感を持っている印象を受けます。
また、「受け入れ体制と支援の整備」が強調されていますが、まずは外国人自身が自立的に生活を営む努力が前提であり、その自己責任の姿勢が不可欠だと考えます。自立が難しい場合には、慎重な受け入れ判断が必要でしょう。
とりわけ、外国人労働者、いわゆる技能実習生については、受け入れ企業の責任が大きく問われます。単なる労働力として扱うのではなく、長期的に地域に根づく存在として受け入れるための体制整備が必要です。
加えて、外国人の受け入れは時間のかかるプロセスです。文化や生活習慣の違いを埋め、地域に溶け込むには相当な年月が必要であり、受け入れを急ぎすぎてはなりません。
経済的な側面も無視できません。外国人にとって、日本が本当に魅力的な移住先であるのか。たとえば日経社説(8月4日)は、外国人政策を国家戦略の一環と位置づけ、議論の加速を求めていますが、その際にも労働環境の整備や待遇改善などが前提となります。
いわゆる「移民」政策のあり方について、この朝日社説ではほとんど触れられていないのも残念です。「共生社会」を実現するためには、共通のルールや価値観の形成が必要であり、ただ「受け入れる」だけでは不十分です。この点については、毎日新聞社説(8月22日)で「ともに暮らす」という視点から、信頼の構築や双方向の努力の重要性が指摘されており、参考になります。
<朝日社説:「外国人受け入れ 軸は理解と共生の視点」>・9月5日
https://www.asahi.com/articles/DA3S16295671.html?iref=pc_rensai_long_16_article
<日経社説:「政府は外国人政策の議論急げ」>・8月4日
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK286HS0Y5A720C2000000/
<毎日社説:「政府の外国人政策 「ともに暮らす」を第一に」>・2025/8/22
https://mainichi.jp/articles/20250822/ddm/005/070/025000c
<外国人共生へ建前を排せ 移民政策の矛盾が露呈>
参院選での参政党の台頭は、在留外国人やインバウンド(訪日外国人)の増加に国民がうすうす感じている不満を顕在化させた。政府が建前では「移民は受け入れない」としつつ、現実には外国人の受け入れを増やしてきた矛盾が露呈したといえよう。
7月23日・https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK188FQ0Y5A710C2000000/