<「南京大虐殺」って何?(アーカイブ記事)>
「日中戦争を、右翼のみなさんが「正しい戦争だった」」
日中戦争(「支那事変」)は侵略です。無謀な馬鹿げた戦争です。
<「南京大虐殺」って何?(アーカイブ記事)>
毎年この季節になると「南京大虐殺」という話がマスコミをにぎわします。今年はも櫻井よしこさんが産経新聞に
「南京大虐殺」はわが国の研究者らによってなかったことが証明済みだ。にもかかわらず中国は事実を曲げ日本への憎しみをかき立てる。
と書いて、話題を呼んでいますが、これは事実に反します。「南京大虐殺はなかったと証明した研究者」は(少なくとも歴史学界では)存在しません。この言葉がきわめて政治的な含意をもつため、研究者は南京事件と呼ぶのが普通です。
「南京事件」は通常の戦闘行為だった・・・
南京入城は「侵略」である・・・・
日本軍は中国共産党の勝利を助けた恩人
日中戦争は正式の宣戦布告がなかったので「支那事変」と呼ばれ、陸軍は「数ヶ月で終わる」と言いましたが、戦争は終わらなかった。1938年に近衛文麿内閣は「国民政府を対手とせず」という声明を出し、汪兆銘のかいらい政権を上海につくりましたが、戦争は泥沼化しました。
そして石油が足りなくなったので、ベトナムやインドネシアに戦線を拡大し、それに対する報復としてアメリカが石油の日本への輸出を止めたので、今度はアメリカに対して戦争を起こす…というように日本軍は行き当たりばったりに戦争を拡大しました。
問題は大虐殺かどうかではなく、日本軍が無計画に中国に戦線を広げたことです。おかげで内戦が長期化して国民党が消耗し、結果的には共産党が中国を支配しました。のちに毛沢東は「共産党が政権を取れたのは日本軍のおかげだ」と感謝しました。共産党を助けた日中戦争を、右翼のみなさんが「正しい戦争だった」というのは皮肉です。
2025.08.05 ・池田 信夫・https://agora-web.jp/archives/1581310.html