<朝日社説:「防衛予算 妥当性 国会で検証を」
この社説の要旨は次の通りです。
1 防衛予算の妥当性検証の必要性:費用対効果が疑わしい案件や優先順位の見直しが必要。円安や物価高による影響で、予算の実質的な目減りが生じている。
2 具体的支出項目への懸念:長射程ミサイルの量産や人工衛星システム整備の妥当性に疑問。イージス・システム搭載艦の整備費用に対する効果への懸念。
3 人的基盤の強化と予算配分の見直し:自衛官の処遇改善を優先しつつ、限られた予算の配分を再考する必要。
4 防衛増税と財源確保の課題:防衛増税の一部先送りにより、安定財源の欠如が続いている。与野党の徹底した議論を通じて、防衛力整備の共通認識を形成する重要性。
これらの主張に対し、いくつかの疑問が生じます。
1 防衛費は多すぎるのか、適切なのか
朝日新聞は、防衛予算の規模について明確な立場を示していません。「妥当性を検証すべき」とする回りくどい表現ではなく、具体的に「防衛費は過剰だ」と断言するのか、あるいは「現状維持でも不足だ」と明示すべきです。
2 防衛増税に対する姿勢はどちらなのか
防衛増税の一部先送りを批判する一方で、朝日新聞自身が増税に賛成なのか反対なのかが曖昧です。賛否を明確にしたうえで、代替案を提案すべきです。
3 「与野党の共通認識を広げる」とは具体的に何を指すのか
野党が防衛予算の総額や増税に異論を唱える中で、与野党が「共通認識」を形成するという主張には具体性が欠けています。どのような合意形成を期待しているのかを明らかにする必要があります。
さらに、トランプ次期大統領が日本の防衛費増額を求める可能性についても、現実的な対応策を議論すべきです。防衛予算を増額する場合、それをどのように国民に説明し、理解を得るのか。逆に、増額を抑制する場合には、日米同盟や国防政策全体への影響をどのように最小限に抑えるのか、具体的な提案が欠かせません。
朝日新聞社説は、回りくどい表現や抽象的な議論に終始するのではなく、読者にとって明快で実行可能な提言を示すべきです。それが真に国民のための議論を促進するメディアの役割ではないでしょうか。
<朝日社説:「防衛予算 妥当性 国会で検証を」>・2024年12月29日
https://www.asahi.com/articles/DA3S16116982.html?iref=pc_rensai_long_16_article
<朝日社説:「戦争と災害 年の瀬に考える被害と伝承」>・12月30日
https://www.asahi.com/articles/DA3S16117530.html?iref=pc_rensai_long_16_article
<世界一「幸福」な国の今 ロシアの脅威に市民も備えるフィンランド>
ロシアがウクライナに侵略したことで、軍人になる覚悟ができた――。陸軍士官候補生は、引き締まった表情でそう語った。
国連の世界幸福度ランキングで7年連続トップの北欧フィンランド。憧れる日本人も少なくないが、実は軍事色が濃い国でもある。ロシアと約1300キロもの長い国境を接し、ウクライナ後の「標的」にされるのではという懸念もくすぶる。現地で有事への備えを探ると、幸福感の裏にある市民らの緊迫感と、強固な国防意識がうかがえた。・・・ 2024/12/26・https://mainichi.jp/articles/20241224/k00/00m/030/231000c
<ロシアが日韓の攻撃対象リスト作成 原発や奥尻の基地など160カ所>・1月1日・
https://www.asahi.com/articles/AST113Q4LT11UHBI00QM.html?iref=comtop_Topnews2_02