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日経社説:「自由で開かれた貿易を守り抜け」・昭和100年 変化に挑む

<日経社説:「自由で開かれた貿易を守り抜け」・昭和100年 変化に挑む>
この社説の趣旨は次の通りです。
1 保護主義への懸念と自由貿易の重要性:トランプ氏の高関税政策が世界経済に深刻な影響を及ぼすリスクを指摘し、保護主義が引き起こす分断や混乱を防ぐために、自由で開かれた貿易体制を強化する必要性を訴える。
2 TPPの役割と拡大の推進:TPPを自由貿易の防波堤として活用し、加盟国の拡大を図ることで、自由貿易体制の維持と発展を目指す。
3 中国への対応と経済安全保障の必要性:経済的威圧や補助金政策を続ける中国に対し、自由貿易を守る立場から対応を強化し、重要技術や供給網の分散を進めるべきだと提言する。
4 グローバル化の課題克服と自由貿易の進化:格差拡大などグローバル化の負の側面を克服し、時代の要請に応える形で自由貿易を進化させる必要性を強調する。
 
日経新聞の主張は総論として支持しますが、各論において具体策が不足している点が気になります。以下にいくつか具体的な疑問を挙げます。
1 トランプ氏の高関税政策への対応
日本はこの政策にどう対応すべきでしょうか?特に、中国に対する高関税には一定の理解を示す一方で、同盟国である日本も対象となる可能性があります。この点について、日経新聞はもっと踏み込んだ提案を示すべきです。
2 TPP拡大の優先国
TPP加盟国の拡大は重要ですが、どの国を最優先とすべきでしょうか?中国が加盟を目指しているとのことですが、私は中国の加盟に強く反対します。中国の補助金政策や日本産水産物への輸入制限を考えると、経済的威圧を行う国の加盟は、自由貿易体制を弱体化させるだけです。
3 国益を考えた自由貿易の進化
「時代の要請に応える自由貿易の進化」という主張は抽象的に聞こえます。理想論だけでは現実に対応できません。各国が自国の利益を守りつつ、どのように国際協調を進めていくのか、具体的な議論が求められます。
4 結論
日経新聞の社説は、自由貿易を守るべきという理念を示している点では評価できます。しかし、理念だけでは不十分です。日本としての明確な戦略や対応策を議論し、読者に提案することが、今後の社説に求められる役割ではないでしょうか。

<日経社説:「自由で開かれた貿易を守り抜け」・昭和100年 変化に挑む>・1月3日
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK27B0C0X21C24A2000000/

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