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読売社説:「独VWの苦境 EV戦略の誤算は重い教訓だ」

<読売社説:「独VWの苦境 EV戦略の誤算は重い教訓だ」>
この社説の要旨は次の通りです。
1 VWの経営不振とEV戦略の誤算:VWは巨額の投資で2030年までに販売台数の半分をEVにする計画を掲げたが、中国メーカーの台頭やドイツ政府の補助金打ち切りにより業績が悪化。中国市場への依存が高く、中国勢の圧倒的なコスト競争力に対応できなかったことが原因。
2 EV普及の国ごとの事情の違い:中国では国策としてEV普及が急速に進む一方、主要先進国では高価格や性能面の課題で普及が鈍化。
各国の市場動向を精緻に分析し、戦略を見直す必要性を強調。
3 日本への教訓と対応策:自動車が基幹産業の日本にとって、VWの失敗は消費者ニーズを的確に捉える重要性を示す。
蓄電池やソフトウェア開発など高コスト分野での企業間協業が競争力強化の鍵。
4 脱炭素とEVへの移行の必然性:中長期的には脱炭素の流れが不可避であり、日本も中国勢の独走を防ぐため競争力の強化が求められる。
 
VWの経営不振は、VW単体の問題ではなく、EU全体の自動車業界が抱える課題でもあります。EUはEV化に過度に傾斜し、その隙を中国メーカーに突かれました。VWが中国市場に過度に依存したことも、経営悪化を招いた一因といえるでしょう。
一方、日本のメディアはこれまで「日本のEV化の遅れ」を批判してきました。しかし、このような単純な比較は誤りです。むしろ、多様なエネルギー技術を模索し続ける日本の戦略は現実的であり、評価されるべきです。
脱炭素の実現に向けて、EVだけが唯一の選択肢ではありません。水素燃料や合成燃料など、さまざまな技術の試行錯誤が続くでしょう。重要なのは、中国メーカーの独走を許さず、競争力を維持することです。
日本の自動車メーカーはこれからも技術革新を進め、生き残りをかけた熾烈な競争に挑む必要があります。我々としては、日本メーカーの健闘を期待するばかりです。

<読売社説:「独VWの苦境 EV戦略の誤算は重い教訓だ」>・2024/12/16
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20241215-OYT1T50136/
 
<〈真相〉フォルクスワーゲンが犯した大きな二つの失敗、欧州最大の自動車メーカーの悲惨な末路、日本の産業界は何を学ぶべきか>
 トヨタに次ぐ世界第2位の自動車メーカー、フォルクスワーゲン(VW)グループが電気自動車(EV)販売台数の伸び悩み、価格競争力の低下や中国事業の不振などにより危機に直面している。ドイツ大手企業の苦境は我々にとっても対岸の火事ではない。・・・12月16日・熊谷 徹( 元NHKワシントン特派員)・https://wedge.ismedia.jp/articles/-/36035
 
<苦しむ日産、内田体制5年で株価は半減…HVの投入もできず幹部「売れる車がない」>・2024/12/03 ・https://www.yomiuri.co.jp/economy/20241202-OYT1T50236/?utm_source=webpush&utm_medium=pushone

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