<朝日社説:「平和賞に日本被団協 核廃絶への新たな力に」>
この社説の要旨は次の通りです。
1 被団協の長年の活動評価:広島・長崎の被爆者が核兵器廃絶に向けた証言活動を続けたことが、今回のノーベル平和賞受賞で評価された。
2 世界の核兵器依存の深刻化:米国、ロシア、中国、北朝鮮などの核保有国が核依存を強め、核軍拡が進んでいる現状に対して警鐘を鳴らしている。
3 若い世代の核廃絶運動の継承:被爆者の高齢化に伴い、若い世代が核廃絶の活動を引き継いでいることに期待を寄せている。
4 日本政府への核廃絶に向けた期待:日本政府は核依存の流れに加担すべきではなく、核保有国や同盟国に対して核廃絶を働きかけるべきだと訴えている。
確かに、日本被団協の運動は核廃絶の意義を広め、平和賞を受賞するに値する活動を続けてきたことは評価に値します。しかし、現実を見れば、核廃絶が実現したわけではありません。特に、ロシアのウクライナ侵攻に伴うプーチン大統領の核使用の脅しや、米露中朝などの核依存強化を考慮すれば、今回の平和賞も理想に基づいた選考であったと言えます。
「日本政府は核依存の流れに加担すべきではなく、核保有国や同盟国に対して核廃絶を働きかけるべき」という主張は一見正論のように聞こえますが、過去に日本政府が核依存に加担した事実はありません。むしろ、日本は核兵器を保持していない国として、米国の核の傘に依存せざるを得ない立場にあります。特に、中国の核戦力は日本にとって深刻な脅威です。この現状を無視して、核廃絶をすぐに実現可能な目標と捉えるのは非現実的です。
核廃絶は確かに人類にとって永遠の課題です。しかし、日本にとって抑止力としての核の重要性は無視できません。中には日本も独自の核を保持すべきとの意見もあります。石破首相に対して、朝日新聞が「核廃絶への意思はうかがえない」と断じているのは誤解です。石破首相も将来的には核廃絶を望んでいるでしょう。しかし、現状において、中国やロシアの核の脅威が現実に存在する以上、現実的な対応をせざるを得ないのです。
朝日新聞には、日本を取り巻く現実の国際環境を正確に認識し、理想論だけでなく、現実に即した議論を展開していただきたいものです。朝日新聞社殿、日本を取り巻く環境、正確に認識してください。
<朝日社説:「平和賞に日本被団協 核廃絶への新たな力に」>・10月12日・https://www.asahi.com/articles/DA3S16056886.html?iref=pc_rensai_long_16_article
<日経社説:「ノーベル平和賞に結実した被爆者の訴え」>・10月11日
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK11BIC0R11C24A0000000/
<毎日社説:「日本被団協に平和賞 高まる核リスクへの警鐘」>・2024/10/12
https://mainichi.jp/articles/20241012/ddm/005/070/110000c
<読売社説:「ノーベル平和賞 核の脅し封じる契機としたい」>・2024/10/12
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20241012-OYT1T50030/
<産経主張:「被団協へ平和賞 核の脅威に対する警鐘だ」>・2024/10/12
https://www.sankei.com/article/20241012-6VYRQZZUPRP2ZMSGLGV7SRVENE/