理想論だけなら安楽死は認められるべき。しかし、何事も理想論通りにはならない、必ず行き過ぎ、逸脱等々。それをどのように規制すべきか、いったん緩んだ紐は元通りにはならない現実。
* 安楽死が合法の国で起こっていること (ちくま新書・児玉 真美 (著))
揺らぐ基準、拡大する対象者・「安楽死先進国」の実状とは
・末期とはいえない患者に安楽死を提案する医療職
・福祉サービスが受けられず安楽死を選択する障害者
・安楽死の数分後に臓器を摘出
日本にも、終末期の人や重度障害者への思いやりとして安楽死を合法化しようという声がある一方、医療費削減という目的を公言してはばからない政治家やインフルエンサーがいる。「死の自己決定権」が認められるとどうなるのか。「安楽死先進国」の実状をみれば、シミュレートできる。各国で安楽死者は増加の一途、拡大していく対象者像、合法化後に緩和される手続き要件、安楽死を「日常化」していく医療現場、安楽死を「偽装」する医師、「無益」として一方的に中止される生命維持……などに加え、世界的なコロナ禍で医師と家族が抱えた葛藤や日本の実状を紹介する。
<安楽死が社会福祉の一つになる?合法化された国で起こっている現実>
「安楽死」「尊厳死」「医師幇助自殺」の違いとは?賛否を語る前に知っておくべきこと
日本人にはあまり想像のつかない「安楽死」の実情。安楽死が合法化されている国では、社会福祉の代替案として捉えられるほど安楽死が拡大・浸透しているという。そうした国では病に苦しむ個人の問題ではなく、もはや社会全体の問題として捉えているようだ。『安楽死が合法の国で起こっていること』(児玉真美著、ちくま新書)では、賛成か反対かを考える前にまず知っておくべき安楽死の現状を解説している。
混同されやすい「安楽死」と「尊厳死」・・・2023.12.23・(東野 望:フリーライター)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/78511