* カーボンニュートラル燃料のすべて 電動化、水素に続く第3の選択肢(アーサー・ディ・リトル・ジャパン (著))
世界各国でカーボンニュートラル(CN)化の動きが加速する中、輸送部門におけるCN化を進める上での「電動〔電気自動車(EV)〕化」「水素活用」に続く第3のアプローチとして「燃料のCN化」が注目を集めている。本書では、バイオ燃料や合成燃料に代表されるこれらCN燃料の現状と可能性をグローバルに見渡し、普及に向けた産業・企業レベルでの課題や解決の方向性について提言していく。さらに、CN燃料に詳しい識者に現状の取り組みや見解を聞き、紹介する。
本書は5章で構成する。第1章では、CN燃料に対する主要な国・地域および石油会社のマクロな動向を整理し、第2章では主要なCN燃料の技術開発や事業化に向けた動向を紹介する。第3章では、各種の輸送機器における、CN化へのアプローチとCN燃料への期待を考察し、第4章では、これらを踏まえてCN燃料普及に向けたシナリオや市場予測、CN燃料の社会的普及に向けた必要アクションを提言する。最後の第5章では、CN燃料に詳しい識者のインタビューを紹介する。
<石油大手の出光が「再エネ由来の合成燃料」世界大手と連携。「船向け脱炭素燃料」の合成メタノール開発へ>
自動車などの動力源がガソリンなどの液体燃料から、再生可能エネルギーで発電した電力に移行している。あらゆるものの「電化」は、CO2排出量を減らす中心戦略だ。
一方、実は石油と同じような燃料そのものを再生可能エネルギーを使って「合成」しようという取り組みも進んでいる。
12月1日、石油大手の出光興産が、南米・北米・豪州などで「合成燃料(e-fuel)」を製造するHIF Globalの子会社であるHIF USAと、合成メタノール(e-メタノール)の調達および合成メタノールの事業開発に向けた検討に共同で取り組むことに合意したと発表した。
HIFは、2022年12月にチリの実証プラントで合成燃料の生産に成功。2024年には米テキサス州での商業規模のプラントの建設を開始など、合成燃料分野で注目のグローバル企業だ。Dec. 04, 2023・https://www.businessinsider.jp/post-279325