国連は停戦決議より、パレスチナ難民の受け入れ先を見つけることだ、肝心のアラブ諸国が消極的ではいかんともしがたし???
<パレスチナ人はアラブの危険な番犬?>
アラブ諸国にとって「パレスチナ問題」はアラブの結束を内外に誇示する貴重なテーマだった。その背後には、イスラエルへの対抗という政治情勢があった。だから、アラブ諸国はパレスチナ難民を人道的、経済的に支援してきたが、アラブ諸国の中でイスラエルと国交を正常化する国も出てきたこともあって、パレスチナ問題はもはやアラブの結束を促すテーマから徐々に脇に追やられていった。・・・・
興味深い点は、パレスチナ人に同情心を有するエジプト、レバノン、ヨルダンもイスラエル軍の攻撃から逃れ彷徨うパレスチナ人難民を収容しようとする動きはないことだ。アラブ諸国は過去、パレスチナ難民の収容を拒否してきたが、現在も同じように拒んでいるのだ。・・・・2023.11.06・長谷川 良
https://agora-web.jp/archives/231105051622.html
* 世界史の中のパレスチナ問題 (講談社現代新書・臼杵 陽 (著))
なぜ解決できないのか?難問の構造を歴史から読み解く15講。この一冊で中東問題のすべてがわかる!第1部パレスチナという場所、第2部列強の対立に翻弄されるユダヤ人とパレスチナ人、第3部「アメリカの平和」の終わりと始まり、という3部構成。パレスチナが2012年11月に国連総会で「国家」として承認されたが、イスラエルとアメリカという紛争当事国と関係国が認めていない以上、これ以上の進展は見込めないのが現状。
世界史ブームの中、現在最も深刻な様相を呈しているのはパレスチナという土地をめぐる政治的紛争です。イスラエル人とパレスチナ人の求める平和が、それほどかけ離れているとは言えません。アメリカ合衆国をはじめ大国が問題解決のために調停をしていますが、和平交渉に進展の兆しはみられません。
本書では、問題をどのように解決するかという視点からではなく、なぜこれまで解決できなかったのかという視点から根本的に考え直すことの必要性を説いてみます。そのための素材提供というささやかながら意欲的な試みを展開します。