* 世界史とつなげて学ぶ 中国全史(岡本 隆司 (著))
現代中国とは、過去の歴史の積み重ねの決算であり、通過点でもあります。そこに至るプロセスを知ることなしに、「中国人の考え方は理解できない」「中国の存在は日本にとって脅威」などと評論しても意味がありません。問題はそのプロセス・歴史をうまく捉えていない、そのため偏見に満ちた見方になっていることで、そういう〝偏見〟の自覚すらないのが、一般的な日本人の姿ではないでしょうか。
日本人の多くが、中国は太古より強大な統一国家だったとか、中国は常に強大で、常にアジアの覇権国家だった、という印象を持っています。「中国は異質」「理解できない」といった印象を持ってしまうのは、こういう下地があるからなのです。そこで重要なのは、リアルな中国史を認識することです。それを通じて、はじめて現代中国が抱える問題も、その本質を理解することができるでしょう。
歴史といっても、細かい年号や人名、事件などにこだわる必要はありません。何よりも時代の特徴、ならびにその流れを?むことが大事です。本書では、文明の発祥から今日に至るまでの中国史の展開を一気呵成に描いて、現代につながるリアルな中国の姿を浮き彫りにしていきたいと思っています。(「まえがき」より要約抜粋)
<支配の正統性を古代史に求める習近平・中国の社会契約に綻び、市民は共産党に反旗を翻すか?>
中国共産党は5000年の歴史を持ち出す以外、正当性を主張できる根拠がなくなっているようだ
中国共産党は正統性のワナに陥っている。
中国共産党と中国国民を結びつける絆について、外国では何十年も前からシンプルなストーリーが語られてきた。
統治者と被統治者の取引を、いささか見下した調子で描写したストーリーだ。
これによると、一般庶民から都市在住の中産階級に至るまで、ほとんどの中国国民は政治について語ったり考えたりするのは避けるべきだと心得ている。
そして権力の世界に踏み込まない見返りとして、中国の台頭でもたらされる富や機会の分け前を求めて競い合うことが許されている。
それが最近、経済成長が鈍化し、住宅価格が下落し、大学新卒者の就職機会が激減していることから、同じ外国人が中国国民は共産党に反旗を翻すのではないかと考えるようになった。・・・(英エコノミスト誌 2023年6月17日号)・https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/75670
<「第3の歴史決議」で見えた習近平の権力と脆弱性・「中国の特色ある社会主義」とは共産党一党独裁>・2021/11/23・薬師寺 克行 : 東洋大学教授
https://toyokeizai.net/articles/-/470899?display=b