* 未来のための電力自由化史(西村 陽 (著), 戸田 直樹 (著), 穴山 悌三 (著))
1996年の発電分野の自由化から25年の節目となる2021年、電気新聞紙上で2月から9月にかけて連載され好評を博した「未来へ紡ぐ電力自由化史」を書籍化しました。
自由化前夜から現在進行形の電力システム改革まで、3人の著者がそれぞれの専門的視点から丁寧に検証。蓄積した成果や課題をあぶり出すとともに、エネルギー業界が直面するさまざまな課題克服への示唆を導き出しています。
電力自由化は電気料金低下や顧客選択肢の拡大を大義名分に掲げ、多数の新電力の参入を実現する一方、20年末~21年初の電力需給逼迫のように問題点も顕在化してきました。ここに至る経緯を、例えば公益事業における市場制度設計、規制当局と事業者の関係、電力会社の組織体質と外部環境変化などの切り口から分析し、課題と対応策を提言しています。
エネルギー業界は今なお脱炭素化やデジタル化といった大変革の只中にあります。それに対応してより良い仕組みを構築していくためには歴史から学ぶことが不可欠であり、すべてのエネルギー関係者に一読いただきたい一冊です。
<「電力ビッグバン」がもたらした「社会主義の崩壊」>
6月から電気代が大幅に値上げされる。このうち東電の料金は、柏崎7号機が動く前提で低く抑えられているが、原子力規制委員会がOKを出さないので、今年の冬には再稼動が間に合わないかもしれない。その場合、この値上げ幅はさらに大きくなる。
この原因は直接にはウクライナ戦争以降のLNGの大幅な値上がりだが、根本原因は2010年代の電力システム改革の失敗である。民主党政権が再エネFITを導入せず、原発をすべて再稼動していれば、日本は先進国では例外的に電気代を上げなくてすんだだろう。
最悪の時期に始めた「電力ビッグバン」・・・2023.05.28・池田 信夫
https://agora-web.jp/archives/230528050948.html