* 「未熟さ」の系譜 (新潮選書・周東 美材 (著))
ジャニーズ、宝塚、女性アイドル……なぜ私たちは“未完成なスター”を求めてきたのか?
「お茶の間の人気者」を通じて日本文化の核心を解き明かす、気鋭の社会学者による本格論考
卓越した歌唱力ではなく“若さや親しみやすさ”で人気を得る「女性アイドル」、ジュニアからのデビューが一大イベントとして注目される「ジャニーズ」、入学試験の様子が毎年報じられ、未婚女性だけでレビューを上演する「宝塚歌劇団」……。
完成された技芸や官能的な魅力より、成長途上ゆえの可愛らしさやアマチュア性こそが心を打ち、応援され、愛好される、これら日本独特のエンターテインメントの鍵は「未熟さ」にあった。そしてそれは、近代家族と大衆メディアの結びつきが生んだ「お茶の間の願望」の帰結だった――。
明治以降に誕生した「子どもを中心とする近代家族」が「お茶の間」という独特な消費空間を生成し、「未熟さ」を愛でる文化を育んでいく過程を、丹念なメディア史研究によって鮮やかに描き出す。
<【新刊紹介】独自の文化に刻まれた日本の近代:周東美材著『「未熟さ」の系譜:宝塚からジャニーズまで』>
大正期の「童謡レコード」ブームから、1970年代の「スター誕生!」大ヒットまで、「未熟さ」という視点から芸能文化を読み解き、日本人の中に潜む「子どもをめぐる近代家族の願望」を鮮やかに浮き彫りにした画期的なメディア史。
https://www.nippon.com/ja/japan-topics/bg900426/