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ウクライナ侵略戦争・世界秩序の危機

核超大国による隣国への全面的侵略という悪夢が現実となってしまった。戦争の惨禍が積み重なる現状に対し、私たちは何をすべきなのか。この事態をどう理解し、どう声をあげるのか。問題の歴史的文脈をさぐり、この戦争がもたらすであろうグローバルな影響を多角的に掘り下げつつ、抵抗の国際的連帯の可能性を追求する。

* 『世界』臨時増刊 ウクライナ侵略戦争――世界秩序の危機(『世界』編集部 (編集))
■刊行にあたって
「なぜ」。2022年2月24日、衝撃とともに、世界はこの疑問詞で埋め尽くされた。なぜ、ロシア軍はウクライナ領に無軌道な攻撃を開始したのか。なぜ、極端な言説が暴力を正当化する光景が繰り返されるのか。なぜ、市民が住処を、生活を、家族や知人との繋がりを、壊されなければならないのか。そして、なぜ、またしても人が人を殺し、殺されねばならないのか。
しかし、開戦から約50日。日々、塗り絵のようにウクライナの戦局を示す地図を見、ロシアの苦戦とウクライナの「健闘」を聞きながら、いつのまにか、わたしたちの心から「なぜ」が消えそうになっていないだろうか。
いまこの本を手に取っているあなたやわたしのもとには、ミサイルの閃光も、戦車の轟音も、壊れた建物も転がる死体もおそらくは、ない。だからこそ、単純な善悪の対立軸の奥底にある構造と正対し、これまでの人類の思索の蓄積と照らし合わせ、この戦争の来し方と行く末を考えたい。「なぜ」という問いを突き詰めることで、人を簡単に死に追いやる権力の源泉に迫り、それに抗する道筋を探りたい。
情報の洪水のなかで、本書があらゆる戦争に反対するための思考の足場になることを願う。2022年4月・『世界』編集部

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