* 国民のための「食と農」の授業 ファクツとロジックで考える(山下 一仁 (著))
○「農村のほとんどの人は農家だ」「農家は貧しい。だから兼業せざるをえない」「兼業農家がなくなれば食料安全保障は成り立たない」「関税がなくなると農業は壊滅、自給率は低下する」「日本の農業は規模が小さいからアメリカやオーストラリアとは競争できない。だから保護すべきだ」「企業参入が進めば農業は活性化する」――これらは、日本の農業に対する誤った見方であり、すべて間違っています。いったい、どこがどう違うのでしょうか。本書を読めば、日本の食と農についての重要な事実、考え方が身につきます。そして、読み終われば、食料や農業についてのこれまでの見方が一変します。
○農水省時代には国際交渉で活躍し、中山間地の農業問題の解消に取り組み、国内外の政策に通じ、スタンダードな経済学をベースに国際的な視野から農業を真に発展させる政策への転換を長年にわたり訴えてきた著者が、政策担当者、研究者としての経験、見聞、観察、知識のすべてを総動員し、だれにもわかりやすく噛み砕いて、日本の食と農の本当の姿を伝える入門書の決定版です。
〇農業=食料生産に関わる問題だけでなく、食の流通・消費も含めたフード・システム、食の安全保障・食の安全、持続可能性、国際的な規律、政策の歴史、技術革新を踏まえた展望など、幅広い内容です。「食料安全保障と多面的機能の維持」という農業政策の基本目的に沿った現実の紹介を行い、ポジティブな日本の食と農の未来への展望を示します。
<食糧安保を脅かす農業政策〜コロナ後と円安、浮かび上がる国家的危機・現実味帯び始めた国民生活と農業の転落>
日本に輸入される農産物、特に小麦、大豆、トウモロコシなどの穀物の価格上昇が家計に及ぼす影響が懸念されている(油糧種子の大豆もこの記事では穀物として扱う)。小麦はパン、うどん、ラーメン、スパゲッティなどの原料、大豆は食用油やマーガリンなどの原料、トウモロコシは牛乳、食肉、卵を生産する畜産の飼料なので、これらの価格が上昇すれば、最終食料品価格の上昇につながることになる。・・・2021年12月25日・山下一仁 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹
https://webronza.asahi.com/business/articles/2021122200004.html
<世界の穀物、中国が買いだめ 過半の在庫手中に>・2021年12月19日
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM13CUD0T11C21A2000000/