<「一人」を尊重するようになった社会>
「人それぞれ」のコミュニケーション(=「人それぞれ」という言葉や考え方に基づくコミュニケーション)がはやってきた背景には、私たちの社会が以前に比べて格段に「一人」になりやすく、また、「一人(一人でいること)」の存在を尊重するようになったという事情がある。このような社会になるためには、物的な条件と思想的な条件の整備が必要だ。
* 「人それぞれ」がさみしい ――「やさしく・冷たい」人間関係を考える (ちくまプリマー新書・石田光規 (著))
人づきあいをしなくても回る社会ができあがっていった中で、不安定なつながりを維持するべく変化したコミュニケーション、それでも「人それぞれ」では片付けられない問題、引き起こされる分断と対立を見ていくとともに、「人それぞれ」のその先を模索する。
<「まあ、人それぞれだから…」という優しげな言葉に隠された「厳しい自己責任の論理」>・石田 光規早稲田大学文学学術院教授
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/91443