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「寄生エネルギー」が起こす第2の石油ショック

<「寄生エネルギー」が起こす第2の石油ショック>
「再エネは「寄生エネルギー」」、まさに言い得て妙???

<「寄生エネルギー」が起こす第2の石油ショック>
ヨーロッパで、エネルギー危機が起こっている。イギリスでは大停電が起こり、電気代が例年の数倍に上がった。この直接の原因はイギリスで風力発電の発電量が計画を大幅に下回ったことだが、長期的な原因は世界的な天然ガスの供給不足である。
LNGの不足で電力危機がやって来る・・・
再エネの「限界費用」は停電防止コストを含んでいない・・・・
再エネは「寄生エネルギー」である・・・・
要するに再エネは化石燃料に寄生して発電する寄生エネルギーであり、自立して発電できないのだ。それが今までのように総発電量の2割足らずだったら、大手電力会社にただ乗りできた。宿主が圧倒的に大きいので、寄生虫は停電コストを負担しなくてもよかったのだ。
しかし再エネが「主力電源」になったら、そうは行かない。蓄電池のコストは発電コストの数百倍であり、水素やアンモニアは天然ガスの10倍以上のコストがかかる。バックアップは化石燃料とCCS(二酸化炭素貯留)を組み合わせるしかないが、CCSはいまだに実用にならない。
このように停電を防ぐシステム統合費用を再エネ業者が負担したら、再エネ100%の平均費用(設備投資を含む電力コスト)は今の4倍以上になる。
現実にはCO2排出半減どころか、天然ガスの供給がちょっと落ちただけで、今のようなパニックが起こる。来月のCOP26で「2050年カーボンニュートラル」が決まったら、さらに深刻な第2の石油ショックが起こるだろう。
日本でも多くの火力発電所の採算がとれなくなって退役したので、今年の冬は計画停電が必要になる、と資源エネルギー庁も警告している。そして今年初めのように、多くの新電力の経営が破綻するだろう。寄生虫が宿主を食いつぶすと、寄生虫も死んでしまうのだ。
2021.10.10・池田 信夫 https://agora-web.jp/archives/2053434.html

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